PI Expert に関する FAQ (よくある質問)

PI Expert に関する FAQ (よくある質問)

電源設計支援ソフトウェア PI Expert の最新版をインストールし使用する際に役に立つヒントをご紹介します。

I. 一般事項
II.セットアップとインストール
III.電源設計
IV.最適化



I. 一般事項

PI Expert オンラインで新たに追加された機能には、どんなものがありますか?

  • Web ブラウザでアクセス – ソフトウェアのインストールが不要です
  • 追加され次第、更新及び新機能を受け取る機能
  • PI XLs 機能の統合 – セカンド プログラムの実行は不要になりました

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II.PI Expert オンラインと互換性があるのは、どのブラウザですか?

次の表に、PI Expert オンラインのブラウザへの対応を示します。

ブラウザ
バージョン*
サポート有り
一部サポート** 
Internet Explorer    11 X  
   10 X  
   9   X
Google Chrome    33 X  
   32   X
   31   X
   30   X
Firefox    28 X  
   27   X
   26   X
   25   X
Opera    20   X
Safari    5.17   X

*PI Expert オンラインは、利用が可能となり次第、新しいバージョンのサポートを目指します。
** PI Expert には、HTML5 が必要です。旧バージョンのブラウザは、
対応していない場合があります。

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III.電源設計

    • [固定主要パラメータで最適化] とは何ですか?

 

      PI Expert では、「最適化」の実行エンジンを制限して、特定のパラメータをユーザーが選択した値に固定して最適化を行うことができます。この機能は、エンジンの機能を使用しながら、一部の決定はユーザーが行う場合などに便利です。たとえば、エンジンで自動的に最適化を行いながら、VOR や KP は特定の値に固定することができます。エンジンでは、複数の繰り返し処理を実行し、適用された制限内で上位のソリューションを提示します。エンジンに多くの制限を適用し過ぎると、最適な結果が 1 つも提示されない場合もあることに注意してください。



    • PIXls の設計の拡張子は変更されましたか?

 

      はい。すべての PIXls のスプレッドシートの拡張子は .pixls という 1 つの拡張ファイル名になりました。以前の設計を変換するときはこの変更が自動的に行われます。



    • PI Expert と PI Xls では、なぜトランス構造に複数の並列に接続した巻線を使用するのですか?

 

      PI Expert と PI Xls ではともに、多数のワイヤーの同時巻きを使用しています。つまり、1 本の太いワイヤーを使う代わりに、2、3 本 (場合によっては 3 本以上) の細いワイヤーを並列に接続したものを巻線として使っているわけです。こうした巻線を使うことで、表皮効果による電力損失を最小限に抑えられることや、ボビンの幅全体にわたって巻線を巻けること、漏れインダクタンスを抑制できる等のメリットが得られます。



    • PI Expert と PI Xls の、「端子当たりの最大巻線数」とは何ですか?

 

      PI Expert と PI Xls では、トランスの巻線に細いワイヤーを複数使用しています。つまり、1 本の太いワイヤーを使う代わりに、2、3 本 (場合によっては 3 本以上) の細いワイヤーを並列に接続したものを巻線として使っているわけです。並列に接続する巻線の数が増えるほど、すべての巻線を 1 つの端子にからげるのが困難になります。特に、小さなボビンのように、巻線が太く端子が細い場合は難しくなります。この場合、2、3 本の異なるピンに分けて巻線をからげるのが良いでしょう。「端子当たりの最大巻線数」では、1 端子にからげることのできる巻線の本数を指定します。デフォルトでは、1 端子当たり 4 本の巻線をからげるように設定されています。この本数は、巻線が細ければ 6 本にもなり、太いものを使えば 2 本になることもあります。



    • PI Expert で使用されている用語がよくわかりません。これらの用語の定義はどこにありますか?

 

      PI Expert のツールバーやポップアップ ウインドウに [ヘルプ] ボタンが用意されています。[ヘルプ] ボタンが見つからない場合は、ファンクション キー [F1] を押してください。[Help] ボタンをクリックすると、[ヘルプ ユーティリティー] のフォーム、もしくはウインドウが起動します。[ヘルプ]各セクションには、ソフトウェアを使用する際によくある質問に対する答えや、用語の説明、ガイドラインが掲載されています。電源に関する一般的な用語の詳細は、選択したデバイスの

アプリケーション ノート

      をお読みになることをお勧めします(詳細は [ヘルプ] を参照してください)。



    • マイナス直流出力の設計を指定する方法を教えてください。

 

      PI Expert では、出力電圧の総数が 2 つ以上の場合、その 1 つをマイナス出力に対応させることが可能です (ただし、マイナス出力をメインの出力には設定できません)。マイナス出力を 1 つ含む電源を設計する場合、マイナス直流出力の絶対値を正の数字として入力してください。なお、トランスの端子位置と、その位置に対応したプリント基板レイアウトを決めるときのために、どの出力がマイナス出力かを確認しておいてください。



    • トランスの最大出力 (PMAX) は、どのように決定していますか?

 

      トランスの出力電力は、「エリア プロダクト法(Ae × Aw)」を使って決定しています。この算出法では、変換効率や IC のスイッチング周波数、トランスの設計マージン等の要素も考慮しています。



    • 「左マージン」、「右マージン」とはどんなものですか?

 

      PI Expert と PI Xls は高い柔���性を備えており、ボビンのどの面 (水平に置いたボビンの場合は左側と右側、垂直に置いたボビンの場合は上側と下側) にマージンを設定するかを指定できます。この機能は特に、非対称の設計マージンを設定する際に有用です。PI Xls では、パラメータ M は、必要なマージン合計の半分を表します。つまり、M を 3.0 mm と指定すると、ボビンの左 (または上) に 3.0 mm、右 (または下) に 3.0 mm のマージンが想定されます。



    • 「ギャップ コア実効インダクタンス計算 (ALG)」の結果に、若干の誤差がありました。これはバグですか?

 

      PI Expert では、ALG 計算を実行する場合、一次側の巻線を整数の値に設定していません。ただし、多くの場合、一次側の巻数が多いため、結果として生じる誤差は最小限に抑えられます。ALG 値を変更する必要があるかどうかについては、磁性部品メーカーと相談してください。



    • デフォルトの効率の推定値は何がベースになっていますか?

 

      変換効率の推定値のデフォルトは、アプリケーション ノート「

AN-21

      (TOPSwitch-II)」と「

AN-26

      (TOPSwitch-FX)」、「

AN-29

      (TOPSwitch-GX)」に掲載した変換効率曲線に基づいて計算しています。一方、TinySwitch-II の変換効率については、実際の電源の評価に基づいて推定しています。こうした曲線では、与えられた AC 入力範囲と出力電圧に基づいて、変換効率を計算しています。出力電圧が 5 ~ 12 V の場合、変換効率はリニアに変化するよう想定しております。5 ~ 12 V の範囲外の場合は、変換効率の変化量から推定しています。



    • PI Expert では、パッケージの選択や熱評価を支援してくれますか?

 

      PI Expert では、二次側のダイオードと PI デバイスに必要なヒートシンクのサイズを推定します。このサイズは、使用されるヒートシンクのタイプ (つまり、基板上の銅箔、アルミニウム薄板、または押し出し型アルミニウム) によって決まります。



      基板上に銅箔を用いたヒートシンクの場合、放熱には正方形の領域になることが想定されます。領域の形状は、ヒートシンクの実効熱抵抗に大きく影響し、この結果、ヒートシンクの有用性にも大きな影響を与えます。



      アルミニウム薄板のヒートシンクの場合、高さ 20 mm の長方形の領域が想定されます。計算は、素材が厚さ 1.6 mm のアルミ合金 (3003 または 5052) を想定して行われます。



      押し出し型の外付けヒートシンクの場合、データシートの熱抵抗が 20% ディレーティングされてから、必要なサイズが推奨されます。



      PI Expert を「

AN-21

      」や「

AN-26

      」、「

AN-29

      」と組み合わせて使用することで、パッケージの放熱特性を調べることができます。一般に、周囲温度が 50°C で、電源の放熱特性が約 1.5 W (オープン フレームの場合)、もしくは約 1 W (アダプタ、もしくは筺体に収められている場合) を上回るレベルを必要とする場合は、ヒートシンクを取り付けた Y パッケージや E パッケージの採用を検討します。



      さらに電源の熱設計は、極端に高い/低い動作温度や、最適でないレイアウト、標高の高い場所での使用、非効率なトランス、エア フロー等の影響を受けます。TOPSwitch や TinySwitch、LinkSwitch、PeakSwitch の各電源 IC を最大出力電流付近で使用する場合、最大ジャンクション温度を 110°C に設定することを推奨します。この結果、電源 IC の過熱シャットダウンを最小限に抑え、電源 IC の個体差や電源装置間のバラつきを考慮した最適な設計マージンが得られます。



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IV.最適化

    • 最適化の処理が、使用したい入力コンデンサや TOPSwitch/TinySwitch-II ファミリー、トランスで実行できません。どうすれば解決できますか?

 

      問題の対象となる電源の出力が限界を超えている場合、「最適化ツール」はユーザーの要求に最も適した組み合わせを選択します。この選択は、メイン メニューの [アクティブ デザイン] の中にある [最適化パラメータ] の設定に依存します。「最適化」によって、ユーザーが使用したい電源 IC よりも出力が小さい電源 IC が選択された場合、ユーザーは使用したい電源 IC が選択されるようにソフトウェアの設定を変更できます。まず、[PI の電源 IC 選択] ダイアログ ボックスから使用したい電源 IC を選択します。次に、[ソリューション フィルター] ダイアログ ボックスで、「コア スタート エントリー」と「コア エンド エントリー」の値が同一であることと、また使用したいコアであることを確認します。最後に [最適化] ボタンをクリックすると、ソフトウェアはソリューションを提示します。その際、電源 IC やトランスの外形寸法に関する追加の制約条件も併せて提供します。



      トランスで扱える電力は、「エリア プロダクト法 (Ae x Aw)」で導き出されます。この計算法では、変換効率や電源 IC のスイッチング周波数を考慮して解析しています。



      入力コンデンサに関しては、「最適化」により必ず最適な部品が選択されます。ユーザーは「最適化」による部品選択結果を変更できません。選択結果と異なる入力コンデンサを使用するには、ユーザーがマニュアルで設計を実行しなければなりません。マニュアルによる設計以外では、入力コンデンサの平均直流電圧に対応する直流入力電圧をソフトウェアに入力し、再設計することも可能です。



    • コストの最適化と変換効率の最適化で、同じ変換効率の推定値が得られるのはなぜですか?

 

      PI Expert では、アプリケーション ノート「AN-21」や「AN-26」、「AN-29」にある電流波形パラメータを使って、変換効率を推定しています (出力電力や AC 入力電圧、使用する IC 等で変化します)。したがって、最適化の結果は、変換効率の推定値には反映されません。実際には、変換効率を最適化したトランスを用いた試作品の方が、コストを最適化したトランスを採用した試作品よりも、変換効率は高くなります。



    • 「コストの最適化」とは何ですか?

 

      「Cost Optimization (コストの最適化)」の作業では、コアや二次巻線の巻数、二次側出力の積み上げ構成、出力ダイオード等の組み合わせを変えた数多くの設計を、ソフトウェアに設定した基準に従って採点します。得点が高い設計はリスト化され、このリストは最適化の作業が完了するまでの間、保持されます。最適化作業が終わると、得点が高い設計のリストが表示されます。ユーザーは、このリストの中から、アプリケーションに最も適していると思われる設計を選択します。



      「Cost Optimization」の基本となるコンセプトは以下の 2 つです:



      • 最初に、設定された供給電力を満たす IC の中で、最も小さいものが選択されます。

        このステップの目的は、データシートから抽出した各電源ICの定格電力が、設定された出力を上回ることを単に確認することではありません。実際には、この段階においては、電源IC選択の鍵を握る動作パラメータをいくつか考慮します。この最適化の第一段階では、重要な動作パラメータが多数考慮されます。その動作パラメータには、「Maximum Duty Cycle (DCMAX)(最大デューティ サイクル)」や「Peak Primary Current (IP)(ピーク一次電流)」、「Reflected Output Voltage (VOR)(跳ね返り電圧)」、「Peak To Ripple Primary Current Ratio (KP)(一次側におけるピーク電流とリップル電流の比)」等が含まれます。
      • 次に、設定された供給電力を満たすトランス コアの中で、最も小型なものが選択されます。

        適切な PI デバイスの選択と同様に、重要な動作パラメータが多数使用されてトランス コアの選択が行われます。そのパラメータには、「磁束密度 (BM and BP)」や「ギャップ長 (LG)」、「一次側巻線層数 (L)」、「ボビンの大きさに合わせた巻線の物理的寸法を規定するフィッティング パラメータ (FF)」等が含まれます。



    • 「変換効率の最適化」とは何ですか?

 

      「変換効率の最適化」は、「TOPSwitch」ファミリーと「DPA-Switch」ファミリーの電源 IC だけに適用されます。「変換効率の最適化」の作業を理解する上で重要となる要素は 2 つあります。



      1 つは、指定された電力の供給が可能で、カレント リミットに対するマージンが十分に確保できる PI デバイスが選択されることです。



      まず PI Expert では、設定された電力の供給が可能な IC の中で、最も小型なものを選択します。次に、このソフトウェアは、連続的に使える電源を設計するために、「一次側におけるピーク電流とリップル電流の比(KP)」の値を減らすように調整します。この値の減少に伴い、「Peak Primary Current (IP)(ピーク一次電流)」が減り、さらに一次巻線と二次巻線それぞれのピーク電流と実効電流が減少します。こうした電流の減少によって導通損が減少するため、電源全体の変換効率が高まります。



      もう 1 つは、設定された電力を供給できるコアが選択されることです。



      このステップでは、選択したコアが電力を供給できるかどうかだけではなく、極めて大きい損失が発生しないかどうかも確認します。この損失には、「磁束密度 (BM and BP)」によって決まるコア損失、「一次側巻線層数 (L)」と「一次側実効電流 (KP)」によって決定される銅損、「ギャップ長 (LG)」によって決まる漏れインダクタンスが含まれます。



      「Efficiency Optimization (変換効率の最適化)」では、「Cost Optimization (コストの最適化)」と同様に、数多くの設計を検討することで最適化を実行します。そして、得点が高い設計をリスト化し、最適化作業が終わるとこのリストを表示します。



    • 最適化はどのように行われますか?

 

      「最適化」は、複数の設計を作成し、Power Integrations のエンジニア スタッフがまとめた設計ルール データベースと比較します。「最適化」の実行エンジンは、このデータベースに収められた制限仕様を満たす、もしくはそれ以上の最小限の設計を探し出します。



      Power Integrations では、すべての設計に対して、その性能をユーザーが設定した条件に照らし合わせて検討することを推奨しています。安全性や放熱性能、システムの信頼性等をそれぞれ個別に検証してください。



    • 「コストの最適化」の結果が出力されましたが、「出力電力に対してコア寸法が小さ過ぎます (Po)」という警告メッセージが表示されました。これは深刻な問題ですか?

 

      この警告メッセージは、「コストの最適化」が終了した後に表示される場合があります。「コストの最適化」は、設定された出力の 90% に相当する「定格電力 (PMAX)」でトランスを評価します。警告メッセージは、設計した電源を定格電力で連続して使用した場合、コアとボビンの外形寸法で決まる出力電力範囲を超える可能性があることを知らせるものです。表示された場合は、電源の放熱性能をさらに詳しく評価することを推奨します。



      この警告メッセージが表示された場合、外形寸法が大きなコアを採用することで解決を図るユーザーがいることでしょう。コアの外形寸法を変更して、設計を再度実行するには、最適化の実行中に [ソリューション フィルター] ダイアログの [コア スタート] と [コア エンド] ドロップダウン ボックスで使用したいコアを設定する必要があります。



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